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【講演レポート】防犯カメラは「証拠探し」だけ?生成AIで見回りの“気づき”を記録する、地に足ついた現場見守り|ものづくりワールド大阪

2026年10月7日(水)~9日(金)にインテックス大阪で開催された「ものづくりワールド大阪2026」にて、弊社取締役 兼 企画本部長の小川が出展社セミナーに登壇しました。
本記事では、講演「生成AI活用、『地に足ついた』現場見守り」の内容をダイジェストでご紹介します。

▶展示会全体の様子はものづくりワールド大阪2026 出展レポートをご覧ください。

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■ 最後に防犯カメラの映像を“見た”のは、いつですか?

講演は、会場の皆様へのこんな問いかけから始まりました。

多くの現場で、防犯カメラの映像を見るのは「何かが起きた後の証拠探し」のときだけではないでしょうか。
今回の講演のテーマは、カメラを「撮るだけ」から「見回って、記録する」に変えることです。

■ 【動画】2分でわかる講演のポイント

まずは講演の内容を、約2分の動画でご覧ください。

■ クイズ:この現場写真、気になるところはありますか?

講演の冒頭では、ある倉庫の部品棚を映した監視カメラの画像をお見せし、「気になるところはありますか?」とクイズを出しました。

倉庫の部品棚を映した監視カメラのイメージ画像(クイズ)
※画像はイメージです(生成画像)

この画像に対して、Smart RoundsのAIはこう答えました。

通路中央に多数の黒い部品が散乱しており、転倒や滑りの危険性があります。また、作業中の足元妨害にもなり、作業効率が低下する可能性があります。
(AIの判定結果の1項目目を原文のまま掲載)

床に散らばった部品に気づき、安全(転倒・滑り)と効率(足元の妨害)の両面から指摘しています。数年前までの画像AIが言えたのは、せいぜい「人が2人います」まででした。

■ AIは「見える」ようになった。でも、価値が見えないAIは止まる

この1〜2年で、画像を理解する生成AI(VLM:視覚言語モデル)が実用レベルになりました。

これまでの画像AI 生成AI(VLM)
学習した形のモノ(人・車など)を見つけて、数える 状況を理解して、言葉で説明する
事前に学習していないモノは見つけられない。現場ごと・モノごとに学習が必要 事前の学習なしで、人と同じ常識で判断できる

一方で、AIへの期待と現実にはギャップもあります。Gartnerは、2026年末までに企業アプリケーションの40%がタスク特化型AIエージェントを搭載すると予測する一方で、エージェント型AIプロジェクトの40%超が、2027年末までに中止されるとも予測しています。理由は、コストの増大、ビジネス価値の不明確さ、リスク管理の不備です。

講演タイトルの「地に足ついた」とは、この中止されない側のAIを現場に入れること。そのために、どの現場にも必ずある「見回り(巡回)」という今ある仕事と、「防犯カメラ」という今ある設備に、生成AIを乗せることを提案しました。

出典:Gartner プレスリリース(2025年8月26日、2025年6月25日)

■ 見回りには「安全」と「効率」、2つの目的がある

多くの工場では、管理者や正社員の方が1日に何度も現場を見回っています。一方で、正社員が不足している企業は50.6%と半数を超えています(帝国データバンク「人手不足に対する企業の動向調査(2026年4月)」)。

見回りの目的は、大きく2つに分けられます。

① 安全を守る見回り ② 効率を守る見回り
・人が倒れていないか
・保護具を着けているか
・危険な場所に人が入っていないか
・火花・煙・液漏れはないか
・整理整頓ができているか
・ラインで遅れ(渋滞)が起きていないか
・放置された台車が溜まっていないか
・ベルトコンベアの荷物が止まっていないか

安全面では、労働災害で最も多いのが「転倒」で、休業4日以上の死傷者は年間37,195人にのぼります。転倒そのものをカメラが防ぐことはできません。しかし、職場の熱中症による死亡災害100件を分析した厚生労働省の資料では、78件で初期症状の放置や対応の遅れがあったとされています。重症化を分けるのは、「誰かが気づくまでの時間」です。

効率面では、台車の放置、工程間の滞留、作業台の散らかりといった小さな乱れが、生産の遅れにも、つまずきや接触などの事故にもつながります。実際に導入いただいた企業様からも、「渋滞が発生すると、その対応につきっきりになって、ヘルプを呼べないこともあった」という声をいただいています。

出典:厚生労働省「令和7年の労働災害発生状況」/厚生労働省 労働安全衛生規則改正資料(熱中症死亡災害100件の分析)

■ 見つけた乱れは「その場で直されて、消える」

見回る社員の方は、まじめに対応しています。人が倒れていれば駆けつけ、台車が放置されていればその場で片づけ、散らかっていればその場で指導する。

だからこそ、その場で解決して終わり。件数も内容も残らず、記録は0件になります。何回起きているのか、何時ごろ多いのか、どこで多いのかが分からないため、同じ乱れが繰り返され、根本的な対策も効果の測定もできません。

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※イメージ図(架空の工場)

「報告書を書いてもらえばいい」と思われるかもしれません。しかし、現場従事者の約7人に1人はヒヤリハットを報告しておらず、その理由の6割超は「報告書作成の手間」や「報告しても意味がないと感じる」ことだという調査もあります。

直すことはできている。足りないのは「数えること」です。

現場の、3つの「ない」

いない:見回りに割ける人手が足りない
見ていない:防犯カメラは、事故後の証拠探しにしか使われていない
残らない:見回りの気づきは、その場で直されて消える

出典:tebiki株式会社「現場におけるヒヤリハットの実態調査」(2025年3月実施、n=225)

■ 私たちが「お断り」してきた3つの相談が、生成AIで「できる」に

フューチャースタンダードは2014年から、交通量観測、河川の水位検知、工場内の動線分析、踏切監視など、画像AIを現場に実装してきました。それでも、次の3つのお問い合わせは技術的に難しく、お断りしてきました。

お問い合わせ 従来のAIでは 生成AIなら
敷地内で喫煙している人を見つけたい タバコは小さく、姿勢もさまざま 「たばこを吸っている」という状況を、事前学習なしで判断できる
作業台の整理整頓ができていないことを知りたい 「散らかっている」の基準は現場ごとに違う 「散らかっている」を、人と同じ常識で判断できる
倒れている人を検知したい(体の一部しか映っていなくても) 学習した「人の形」に当てはまらない 体の一部からでも「人が倒れている」と判断できる

従来のAIでは解決できなかった事象を、生成AIならカバーできる。これがSmart Rounds(スマートラウンズ)の出発点です。

■ Smart Roundsの考え方:「地に足ついた」生成AIとは

1. 動画を見続けるのではなく、静止画で定期的に“見回る”
生成AIで動画を常時解析し続けるのは、今の技術では費用面でも性能面でもまだ難しいのが現実です。一方で、「倒れている」「散らかっている」「溜まっている」といった検知したい事象の大部分は、静止画で判断できます。
Smart Roundsは、1分〜1時間の間隔で静止画を取得してAIが判定するため、計算量と費用を抑えられます。そして最後は、検知結果からその時の録画映像をすぐに確認し、人の目で確かめられます。

2. 「見張る」と「評価する」の2つのモード

  アラート(見張る) モニタリング(評価する)
何をする 今すぐ対応が必要な異常を知らせる 通知せず、現場の状態を評価して記録に残す
知らせ方 メール・パトランプで即時に ダッシュボードと統計で傾向を見る
工夫 連続して検知したときだけ知らせる設定も可能 小さな乱れのたびに通知せず、現場を疲れさせない
対応する見回り ① 安全を守る見回り ② 効率を守る見回り+ヒヤリハット

講演では、本当の価値は「評価する」側にあるとお伝えしました。小さな乱れのたびに通知していては、現場が疲れてしまいます。だからこそ「記録だけを残す」ことが大切なのです。

3. AIには「具体的に」聞く
同じ写真でも、AIへの聞き方で答えは大きく変わります。「安全面・作業効率の面で気になる点は?」と漠然と聞くと、AIは7項目もの指摘を返し、そのうち5項目は「可能性がある」「判別困難」といった推測でした。これを毎回アラートにしたら、現場は鳴りっぱなしです。

一方、冒頭のクイズの写真に「棚の間の通路の床に、部品・小物・ゴミなどが散らばっていないか」と具体的に聞くと、AIは次のように答えました。

異常あり:通路の床に黒い部品のようなものが多数散乱しており、通路の中央寄りに位置しているため、作業妨害や転倒の危険があり異常です。
(AIの出力を原文のまま掲載)

ないものは「なし」、あるものは「あり」と言い切ってくれます。現場のリーダーが新人に仕事を頼むのと同じで、見たいことを具体的に伝えるのがポイントです。何をどう聞くかは、導入時に弊社が一緒に設計します。

■ 見回りの「気づき」が、データになる

Smart Roundsを使うと、これまで「記録0件」だった見回りの気づきが、人が報告書を書かなくても、回数・時間帯・場所・写真とともに積み上がっていきます。

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※イメージ図(架空の工場・実データではありません)

たとえば「毎日15時台に、通路に物が溜まる」と分かれば、それは人の注意力の問題ではなく、工程の問題です。現場で直すのはこれまでどおり人ですが、記録が残り、傾向が分かることで、5Sや改善活動のテーマ選び、指導の根拠、対策の効果測定に活かせます。

  これまでの見回り Smart Rounds(モニタリング)
見つける 見回った時だけ 設定した間隔で24時間
直す その場で人が直す 変わらず人が直す
残る 何も残らない 写真と判定理由が残る
分かる ― 頻度・時間帯・場所の傾向

■ 導入事例:通販物流センター様

講演では、物流センターでの導入事例もご紹介しました。

背景
広いセンターの内部を管理するには、管理者の工数がかかりすぎる。根っこにあったのは、管理者の人手不足でした。

見たいこと
安全管理だけでなく、台車の渋滞やベルトコンベアの荷物の停滞も検出したい。しかも、検知したい事象は状況に応じて柔軟に変えたい、というご要望でした。

決め手
他社の提案は大がかりで高額、または「技術的に難しい」という回答だったなか、シンプルで誰でも操作できること、カメラへの投資が無駄にならないことを評価いただきました。導入作業はカメラのIP設定程度とシンプルで、現場の作業者の方に説明したうえで、「監視されている」という懸念の声も出ていないとのことです。

■ 地に足ついた始め方

今お使いのカメラが、そのままつながる
IPカメラであれば、メーカーや既設・新設を問わず接続を検討できます(型番による技術確認があります)。展示会でも、最も驚かれたのがこの点でした。

AIは、クラウドでもローカルサーバでも
標準はすばやく導入できるクラウドAI。画像を外部に出したくない現場には、構内のサーバで解析するローカルサーバ構成もご用意しています。どちらの構成でも、カメラ・画面・使い方は同じです。

「AI予算」は不要。カメラ更新予算の範囲で
防犯カメラを入れ替えるタイミングで、AIの巡回員が“付いてくる”。新たにAIの予算を確保しなくても始められる価格設計です。具体的な価格や構成は、講演資料でご紹介しています。

最短2か月で運用開始。導入後も伴走します
ご契約から最短2か月で運用を始められます(機器の在庫状況・設置工事の日程により変動します)。「何を見守りたいか」を一緒に決めるところから、プロンプトの設計、運用開始後の調整・保守まで伴走します。

■ 講演資料のダウンロード・ご相談はこちら

本記事でご紹介しきれなかった内容(デモ画面、価格・構成、導入の流れなど)は、講演資料にまとめています。

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講演資料「生成AI活用、『地に足ついた』現場見守り」

デモ画面、価格・構成、導入の流れまで掲載しています。
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